〇●ポーカーフェイス●〇

学校を出て、いつものようにあのホテルの部屋に向かった





部屋に入るとすでに桜山さんはいてソファーに腰掛けてタバコを吸いながら本を読んでいた




「おかえり。学校はどうだった?」





そんないつもの問いかけ





「…楽しかった。」




そう答えると桜山さんは私の顔をまじまじと見つめた





そして少し微笑む




「私になにか話すことがあるのかい⁇」





何もかもお見通しのようだ





私は小さく返事をすると桜山さんはタバコの火を消し、私の方へ体を向けた






私は桜山さんの近くまで歩み寄り息を飲んだ





「あの、、私、、変わりたいんです、、」






その言葉には返事はない





「もう一度仲間を信じてみようって思いました。私の過去を受け入れてくれる仲間を」






「と、言うと?何が言いたいのかな?」






桜山さんは私の瞳の奥まで覗き込むように見つめて来る





「もう、このような関係は一切終わりにしたいんです。自分勝手なのはわかってます。


でも、このままじゃ私弱いままだから。」






そんな言葉に桜山さんは真剣な表情のまま口を開いた





「そんな勝手な考え通用すると思うか?だったら今までの金、今ここで返しな」






そんな言葉にドクドクと心臓が鳴り響き、ぞっとした





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