〇●ポーカーフェイス●〇

私は横目で篠原葵を睨み付け、目をそらす。
静かになった教室にはこそこそと私の悪口を言う声が響いていた



私は立ち上がり、すたすたと足早に教室を出ようとしたところ、誰かと肩がぶつかった
一瞬立ち止まり、振り返ると末永の姿



「おっと、わりぃ。あぁ~ねみー。」





暢気にそんなことを言って伸びをしながら教室に入っていく
この教室の嫌な空気に全く気づきもしないなんてめでたい奴



私は何も言わずに教室を出て、屋上にむかった




屋上に出ると新鮮な空気が私を包み込んだ




たまに吹き付ける風が気持ちよかった




フェンスに寄りかかり、空を見上げた
ネックレスを握りしめ、深呼吸をした




夏華、今日からまた
“戦い”が始まるよ
夏華、どうか私を守ってね



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