〇●ポーカーフェイス●〇


駅から学校までは徒歩10分もない距離だった




私の回りにも学校に向かう人たちがぞろぞろと歩いている





私は学校に着く前に近くの公園のトイレに入り、鏡の前にたった






制服のチェックのスカートは膝が少し隠れるか隠れないかの位置に




ワイシャツのボタンは一番上のボタンだけ外した
指定のリボンをしっかりとつけて





ごく普通の眼鏡をつける
髪はただ一つにまとめる




これがこれからの高校生活の私の姿




目立ちすぎず
地味過ぎず




普通の女子高生





目立ちすぎると
回りに人がたかる





地味過ぎると
イジメの標的になる





とりあえず面倒なことからは避けないのだ





だからいたかいないか忘れるくらいの存在をどれだけ演じられるかが勝負



高校で仲間など必要ない
思い出なんて何もいらないのだ



ただ時が流れて
卒業できればそれでいい



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