〇●ポーカーフェイス●〇
教室をぐるっと見渡すとさっきと同じ




あとは教室の一番隅のほうで末永が壁に寄りかかり、腕を組みながら俯いていた




こいつだけはあまり興味ないらしい





「あおちゃん!!こっちおいでよ。」




そう後ろのほうにいる集団に手招きして呼ばれる
「でも…」
篠原葵は俯きながら迷う





その時




「あれ~??どうしたの、東城さん??」




そう甲高い声で教室に入ってくる橘麻里華と何人かの派手な格好をした女子





私の机の前に立ち止まり、机を見下ろす




「なにこれ~?オシャレな机ね?」




そうくすくす笑う




「集会来なかったと思ったら机に落書きしてたんだ~」






「へ~、東城さんの中学校ってこういう落書きはやってたの??」





そんなばかばかしいことばかり言ってくる女たち





静まり返っていた教室は笑い声で埋め尽くされた
なんて素晴らしい一体感
こんな瞬間にクラスが一つになる





「おいおい、ちょっとな、お前ら「おかしいよ!!ねえ、謝りなよ。こんなのおかしい。みんなも何で笑うの?何が面白いの?」」
口を出そうとした西岡俊介の言葉に割り込み、一歩前に出る篠原葵




そんな篠原葵の言葉にクラスはまた静まり返る




そんなこいつらのやり取りが面倒




私は椅子に普通に座り、何もなかったかのように本を開いた




そんな私を見てクラスは少しざわつく




「ねえ、あんたなんか言いなさいよ。」




橘麻里華は机に手をバンッと叩き私を睨んだ




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