〇●ポーカーフェイス●〇
少し歩いた時
「ねえ、」
そんな微かな声が聞こえて
私はその場で足を止めた
そのまま沈黙が流れて、
しばらくたってもそのまま
私はもう一度歩き出そうとすると
「待って!!」
ぱっと立ち上がり、私の方に体を向けた
私は腕をくみ
「なに?」
と、それだけ言った
またしばらく沈黙が続き、もううんざりだ
「あんたがみんなに嘘ついてることなら言わないわ。だからもう私にはかかわらないで」
そう言うと篠原葵は無表情なまま首を横に振った
「私、諦めないよ。それにクラスのいじめも許さない。東城さんのこと守るよ」
真剣な表情でまっすぐ私を見る篠原葵
「分からず屋。そういうやつ一番嫌いなの。何でそこまで私に関わろうとするわけ?みんなにあの子はいい子だねって言われたいから?いいことして自己満足?迷惑にもほどがある」
私は背中を向け、歩き出そうとした
「似てるから…」
そんな言葉に私はもう一度振り返る
「あなたと私…似てるから」