〇●ポーカーフェイス●〇
先生はクラスみんなのことを見渡すがけして私とは目を合わせようとしない





別に私も先生に助けを求めているわけではない
ただこのままほっといてくれればいい




先生は話を済ませると教室をすぐに出ていった




私は相変わらず席に座り本を読んだ
時々飛んでくるゴミや悪口
そんなものには何も反応せずに本を読んだ




そうして時間はどんどん流れ、
現代文の授業の時のこと




先生は教科書を開くように言った
私は教科書を開くと女子たちのくすくすと笑う声が教室に響いた





私の教科書は落書きで埋め尽くされている
またこんなベタなことを…
そう思うと笑えてくる




先生は段落ごとに一人ずつに音読させていった
誰もが私の番が回ってくるのを待ちわびていた




そしてお待たせしました私の番
クラスの奴はにやにやしながら私に注目した




私は教科書を閉じ、「読めません」と、そう答えた





そんな私の言葉にみんな大喜び
くすくすと微かな笑い声が響いている



「何でですか、あなたの番です読みなさい」



そんな風に怒り気味の先生に私は教科書をポイッっと投げた


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