balance love
「ねぇっ、未来ちゃんっ」
HRが終わって急に
話しかけてきたのは
「どーしたの?雅美ちゃんっ」
クラス…いや学校のアイドル
戸村雅美ちゃん。
「あのね、私、アレ…なっちゃって…
持ってないかなあ…?」
恥ずかしそうに言う雅美ちゃんは
まさに アイドル。
まずスタイル、顔がいい。
性格も悪くない…。
「あぁ、持ってるよ。はいっ。」
「ありがとうっ」
にこっと笑って ぱたぱたと
走っていく雅美ちゃんを
目の端にやりながら
かばんを手にしたとき、
ドアのところに、見つけた。
―――若村くん―…
このキュンと鳴る胸は
確かにあたしが若村くんを
好きだって認識させる。
「あっ!松浦さんっ!」