赤い靴
「なんで東京じゃないといけないの?」

成人して母に言われるようになった

母は私が芸能界を目指しているとは思っていない。母は地方を周ったりして公演をする子供劇団を希望していた

舞台(子供劇団)はどこでだってできるのに何故東京なの?



妹二人が大学にいってお金がかかるため、家賃は母が出してあげるから頑張って!という事が難しくなり、今動けるとしたら

仕送り生活の私だと


私は東京にいたい…

東京を離れたくない…
今後また事務所を受けるなら、舞台(メディア)を続けるなら、エキストラでもやっていくなら東京がいい

そう思いこみ繋ぎ止めているのかもしれない

自分が大変な時は母にすがり付くくせに

母のヘルプの声を私は受け入れられないでいた

「もう来年からは姉ちゃんに仕送りできないよ…」

でもまだ、東京から離れられないよ。1人だち、遅いかもしれないけどやってみようと思った。
自分が好きな芝居を仕事にしながら生きていくのなら

ここなんだ…

‘なんとかなる…’
苦しい時にこそ使う言葉だ


……とりあえず養成所は辞めて舞台関係の事務所にはいろう、事務所を探そう…

そう決めた

私がやりたいことは

舞台だから

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