3 year 君と過ごした最後三年 (version.mystery and suspense)
わたしと中山裕也の出会いは、わたしが産まれたあと数時間後のことだった。
三日違いに同じ大学病院に産まれた、いわゆる幼なじみの仲だ。
県庁所在地のある街から一時間、郊外の閑静な住宅街にふたりは住んでいた。
幼稚園と小学校とで、その歩みをともにしていた。
男性的な言葉を使うなら、「腐れ縁」というのだろうか。
家も隣同士で性格も嗜好も知り得ているせいか、ふたりはいつも異性意識なしに接していた。