3 year 君と過ごした最後三年 (version.mystery and suspense)
裕也といっしょのクラスではあったけれど、わたしとの直接なつながりはなにもない子だった。
理子ははじめて会った時から、なぜかわたしになついていた。見た目そのままの人懐っこい性格と無邪気な笑みで、いきなりハグとキスをしてきた。
人生で一番の、衝撃的な出会いだった。
そんなことをするのはきっと理子ぐらいなのだと思う。
理子は性も生も問わず甘えたがり、かわいいもの、キレイなものには、キスしたがっていた。
結果、人に避けられる子になっていた。友達のいない子になっていた。理子にはわたし以外の友達も被害者も、きっといないのだと思う。
「ひょっとしてまたプチバケットとミニ食パン、野菜サラダと買ったの?」
わたしは彼女の袋を指さしそういった。
「うん。my coffee」
彼女は大きくうなづき、大きめのサーモマグタンブラーを取りだしいった。
プチバケット、ミニ食パン、塩だけのサラダ、極甘コーヒーは、彼女のお気に入りだった。