3 year 君と過ごした最後三年 (version.mystery and suspense)
裕也はどこか女性を感じさせる、大人びた顔の持ち主だった。
落ち着いていながらも冗談もいう、そんな人だった。
中学にあがり途切れた接点も、一年、二年と同じクラスになり戻されいた。
次に途切れたのが、三年になった時だった。
離れた関係、隔たれた教室、違う部活、流れる時。
しかしそれも、受験をひかえ部活も朝練も引退してみれば、すべて形を失くし消えていた。
あとも残さず消えていた。
ふたりを導くように消えていた。
運命。だったのかも知れない……。
影のない何かはもう、そこにいたのかも知れない……。
そしてあの日、すべてがはじまったに違いない……。
わたしはいまそう思っている。
そう想いながらいま、彼を見詰め見送っている……。