隷従執事の言いなり
馬鹿だ。
酷い言い掛かりをつけられて、襲うまがいの事されているのに。
結局私はそれでも碧にドキドキしてしまって。
『俺がいつそんな事言った』
「で、でも今日…」
私を傷つけた言葉を傷つけた本人な覚えて無いなんてそんな事…
『だから、この“俺”がいつ、言ったんだよ』
やたらと俺を強調して言葉を放つ碧。
『執事なんかが言った事間に受けてんじゃねえよ』
…碧が言おうとしてる意味は?
『俺はお前の裸みたら欲情だってするし、興奮すんだよ』
そう言って碧は、はだけた私の胸元にやさしく唇で触れた。
「何して…!」
唇の感触がくすぐったくて。
碧の髪の毛が微かに顔に触れて、こそばくて。
でも、それだけじゃない、何か全身にあまい痺れを覚えて。
『この俺様と執事の碧を一緒にすんじゃねえ』
私にとったらどっちも同じ黒峰碧なのに。
顔だって一緒、声だって一緒。
碧の言う事は、いつだってちょっと難しくて。
「…それってつまり…、…あなたは碧の双子のお兄さんだぞとかって事?」
『…………は?』
小さい頃は、良く馬鹿にされたんだ。