隷従執事の言いなり


結局碧の提案で、庭で軽くお茶でもすることになった。


って言ったって…。


何を話せばいいのか分からない…!!



「波留ちゃっ……くんは今何歳だっけ」



兎に角何か話題を、と、試みるものの。


『中学一年生です』


会話が弾むことはなく。
しん、とした空気が居心地悪い。


『おねーさん』

しかし波留くんはさほどこの空気に嫌気がさしている様子もなく、緊張している様子もなく。

落ち着いた様子で私を呼んだ。


「つ、椿でいいよ」


寧ろ招いている側で、しかも年上の私のほうがよっぽど挙動不審で。


『じゃあ椿さん、僕椿さんと二人でお話したいなー』

「へ?」

いきなり何を言い出すのかと思えば、波留くんの視線は私を通り越して、私の背後の人物…つまり碧にそそがれる。


『ね?いいでしょ?ほら行こっ』

「え?…きゃあっ」


にっこり笑った波留くんは突如立ち上がり、私の腕を引いて走り出したのだ。





「ど、何処行くの…!」

『まぁまぁ』


まぁまぁって…。
それよりもなんで碧は追いかけてこないのよ…!


「馬鹿執事!」





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