隷従執事の言いなり
もうなんなの本当!
なんで私がこんなの押し付けられなきゃ駄目なのぉ…。
「昔の可愛い波留ちゃんカムバック……」
『まぁ確かにお前よりはるかに可愛かったな』
そ、そりゃあの時の波留ちゃんは超プリティーだったし、女のコより女のコだったし、私なんかより可愛かったけどっ!
「ブスでも頑張ってるもん!昔は美少女で今は美少年って…神様って不公平…」
今の波留くんは黙ってたら、なんだか儚い美少年みたい。
整った顔立ちに白い肌、華奢な体は中学生らしい。
「黙ってたら、だけど」
『なんか言ったか?ブス』
「ブスブス言うなー!」
もう本当黙ってて欲しい。
『あんたってイジり甲斐あんね』
「と、とんでもなく嬉しくありません…」
『んな事言うなよ。折角俺様直々にイジってやろうってのに』
そこでふんぞりかえる意味が私には分かりません。
誰がいつイジって欲しいなんて言った?
年下のしかも性悪に。
「皆の所戻ろっか…!」
『はぁ?話そらすなよ』
だって戻りたいもん。今すぐにでも。
怖いもんなんか!
「き、きっと皆心配してるよ…!」
……中一にビビりまくる私って…。