隷従執事の言いなり
こんな風になってしまうのを、そろそろ予測できるようにならないと。
優位に立ってると思い込んでいるのは私だけで、いつだって碧はそれをあっとゆう間に逆転させてしまうんだから。
調子に乗るのは悪い癖だわ。直さないと。
『椿?こっちみろよ。お前が顔みせてって言ってたんじゃねえか』
心の中でちゃんと反省しているのに、碧はここぞとばかりに私を追い詰める。
私は手を掴まれたまま俯いて、長い髪で顔を隠す。
『椿、ごめんなさいは?』
「……!」
何よ!このドS発言は!
執事のくせに!執事のくせに!
「ななななんで私が碧にそんなこと…!」
必死に抵抗する私は、かみかみもいいとこ。
噛み付いてるつもりが飼いならされてる。
『謝る事も出来ねぇなんて…。これはお仕置きが…』
おおお、お仕置き!?
「エロ執事…!」
なんだかやらしいじゃない。お仕置きだなんて。
『…何を想像されたんでしょうかお嬢様。まさか……』
わざとらしく敬語を使って、最後の言葉を濁して微笑を浮かべる碧。
「わ、私は別に!」
思わず俯いてしまった顔を振り上げてしまい、碧と目が合う。
直ぐにしまった、俯こうとしたんだけど、顎をつかまれてしまってそれは叶わない。
『やっとこっち見たな、エロお嬢様』