キスの前の甘い距離
ただ、あと一歩のところで踏み出せない自分がいた。


朝日が昇りはじめ、急に明るくなりだした。


真が立ち上がったので、裕馬も立ち上がって


「行くか…」


力なく言った。


「やだ~裕馬、眠くなってきたんじゃないの?」


「大丈夫だよ。ねえ、今日春奈と春奈の彼氏誘って家にこないか?」


「うん、じゃあ春奈に学校で聞いてみるね」


そのまま手だけはつないだまま、来た道を二人で帰って行った。
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