【短編】二目惚れ 〜歩道橋の上の恋愛小説

別れ…?




『そして又、下り階段の内側から覗き込むと、彼女の方も…そう、恋人同士が待ち合わせをして、2時間後にようやく逢えたかのような表情で、私を向かえ入れてくれました…』





『…出会いには必ず別れがあります…それは三日だけしか続かない人もいれば、50年続く人も数多くいるでしょう…』

『でもその期間の長さは、決してその恋愛の深さと比例するものではありません!…例え数十秒間だけでもこれほど迄に充実感のある恋愛が実際にあるのです…、もちろんそれは激しいSEXを何度も繰り返す以上の結び付きでした…』



『…そして二人にも…別れの時がやってきました』

『…』


『…』



『…彼女は、瞳を潤ませ、頷くような仕草で、無言で私に語りかけてきました…』

『…私も口よりも語るその目で、流暢(りゅうちょう)に答えました…』


『それはサヨナラというよりは、ありがとうという言葉の方が、しっくりとくる感じでした…』



『私は最後の一歩を永遠の時として、心に刻み込みました…』

『そして彼女もそうしたであろうと、確信できました!』
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