【短編】二目惚れ 〜歩道橋の上の恋愛小説



『私は階段を下りた後…そのルールに従って振り向きませんでした… これ程までに、後ろ髪を引かれる思いをした事は、今だかつてありません…』

『私は涙を零さぬように上を見上げると、夕暮れが二人の心境と別れを、見事にそのオレンジの涙模様で、顕していました…』



『私は前世での結び付きや、リーンカネーションなどの類は一切信用していませんでした…しかしあの時ばかりは、それを信用する事でしか、この出会いを納得する事ができませんでした』





『…来世では彼女とどういう形で出会えるのか…私は天に召されてからの楽しみを、一つ持っています…』





『…おわり』
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