光をもとめて

首を後ろに向けてあたしの顔を見るハンナちゃんだった。ユキちゃんの話で自然と緩くなった口元でハンナちゃんに笑顔で言った。


「…なんだぁ…。LOVEとしての好きじゃないんだ」


「――――!」


ハンナちゃんの言葉に目を見開いて驚いたけど、ハンナちゃんの屈託のない笑顔は消え、何故か切な気に薄く微笑んでいた。


「本当はね…私、ゆきちゃんの傍にいたいから親に黙ってアメリカから戻って来たの。
もうね、ゆきちゃんを…、兄さんを独りにしたくないの…私…」


……ユキちゃんを…独り―――?


「でもアヤトさんが傍にいてくれるなら、私なんかよりもゆきちゃんは安心するかなって思ったんだけどな…、なんて。ゴメンね、気にしないで」




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