光をもとめて
「好きなら伝えたらいいじゃない!何でなにも言わないで他の男に譲るの!?」
「・・・・綾都を幸せに出来るのは、俺じゃないからだ」
「綾都を苦しみから救ったのはあのチャラ男なんだ。・・・俺じゃない。あいつはようやく幸せになれるんだ」
「・・・・っ、私は・・・っ、ゆきちゃんが大切。親よりも誰よりも大事。だから、ゆきちゃんにこれ以上辛い思いをさせたくない。させない。ゆきちゃんの幸せがアヤトさんにあるならーーー」
「やめろ。」
ドア越しでもわかる。樹里のときと同じ。あの身が凍える声だ。
「・・・・・・・好きだよ、綾都のことは。好きだから、あいつの笑顔を守ってやりたい。例え綾都が俺じゃなく、他のやつを好きになっても、あいつが幸せならそれでいいんだ」
・・・ユキちゃんーーーーーーーー!!
真白が眠る客間に戻るとドアに寄りかかり、そのまましゃがみこんだ。真白を起こさないよう、あたしは声を押し殺して泣いた。
気づいてあげられなかった。あたし....
ユキちゃんの想いに....