光をもとめて
「・・・綾都」
「抱きしめても・・・いいか?」
彼の表情は金色の髪で隠れて見えなかった。けど、あたしにはわかるよ。
「うん、いいよ」
彼はゆっくりと腕を伸ばして、あたしの体を寄せて抱きしめた。
ユキちゃんに抱きしめられたのは二度目だね。
変わらない、太陽のように温かな体温と匂い。優しくて、大好きなユキちゃん。
「・・・・好きだよ、綾都」
あたしの肩に顔を埋めて、抱きしめていた腕に僅かに力が入った。
「・・・・・・うん・・・」
そっと腕を解いた彼は優しく微笑んでいた。
授業が終わるチャイムが鳴り響いた。
「ほら、もうホームルーム始まるし、戻るぞ」
「ーーーーうん!」
あたしは涙を拭って大きく頷いて、ユキちゃんの隣に並んで屋上を後にした。