heart to heart2 キセキのつづき
夜中のうす暗いICU。

規則的なモニター音。

気が狂いそうになる。

もしも、一生このままだったら?

この点滴を外せば、私はどこにでも行けるんだろうか?

死ぬかもしれないけど、せめてこの場所からは逃げ出せるかもしれない。

静かに、点滴の管を握った。

…抜いたら痛いかな…?

ちょっとためらった、その時。

大きな手が、私の震える手を覆った。

そして、私の手を開いて、握っていたものを離す。

そっと手をつながれる。


「…逃げたくもなるよな」


そう言ったのは、律だった。
< 11 / 132 >

この作品をシェア

pagetop