heart to heart2 キセキのつづき
「律から言ってよ!私はまだ大丈夫だから、予定まで待てるって」

「う~ん…」


律は私の髪をなでるだけで、コレといって主張はないらしい。

なんで!?

早く生まれたら、赤ちゃんが危険な状態になるんじゃないの!?

律はこの子のパパなのに、それでもいいっていうの!?


「なんせ初めてのケースだから…何がいいとか悪いとか、判断できないよ」


吉岡先生が言った。

そりゃそうだけど…


「赤ちゃんは確かに小さいけどさ」


律は落ち着いてる。

それが、逆に腹が立つ。


「バックにはNICUもあるし、500gで生まれた子もいるんだから大丈夫じゃない?」


その態度にカチンときた。


「律はいいよねっ!?自分が産まないんだからさっ!!」

「そりゃ自分で産めたらいいけど、オレは男だし無理な話じゃん…」

「あーそうですね!!どうせ自分が産まないんだし、どうでもいいんだよね!?」

「はぁ!?なんでそうなんの!?」


病院であることも忘れて、本気で夫婦喧嘩をしてしまった。

だって、そうじゃない!?

律はお医者さんだし、色んな患者さんを見てきて、危ないところも見て…

でも私にとっては一大事だよ!

普通じゃないことで既に不安なのに、平気でいられるわけないでしょ!?



その後は完全に無視。

律のほうも同じ。

悔しくて実家に電話して、ママに1時間も愚痴ってしまった。

胎教に悪いとは思いながらも。

黙ってられないんだもん!






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