heart to heart2 キセキのつづき
「傑作だな~、陣痛に気づかないとか鈍感すぎるだろ!」
殺気立ってる産科スタッフとは対照的に、“一応”心臓外科ドクターの旦那さんは爆笑。
「笑いごとじゃないよ!」
「そうだね、ごめんごめん」
夜中に呼ばれたからか、下は紺色の術衣、上はTシャツのまま。
「緊急カイザーになるかもね…」
ポロッと産科スタッフさんが漏らす。
雰囲気にのまれて不安になってる私は、その言葉を聞き逃さない。
「ねぇ、カイザーって?」
一人落ち着いて座ってる律に聞く。
「帝王切開のこと」
「えぇ!?緊急手術!?」
「赤ちゃんは大丈夫だから、心配しなくていいよ。2000gあれば十分だ」
当直の心臓外科の先生以外に、吉岡先生も来てくれるらしい。
「なぁ柚季、皇帝にカエサルっていたじゃん?」
「はぁ?」
なんで今そんな話?
世界史にそんな人いたよね…
で、カエサルがどうしたって?
「帝王カエサルも“カイザー”で生まれてきたんだよ」
「…だから“帝王”切開?」
「正解!この子も皇帝になるかなぁ」
律のつまらないうんちく話に、なぜか笑ってしまった。
…っていうか、律なりの、私をリラックスさせるための冗談かな?
「もうすぐ会えるから、がんばれ」
「すぐに手術しなきゃだめ?」
「大丈夫、オレもオペ室でスタンバってるから」
殺気立ってる産科スタッフとは対照的に、“一応”心臓外科ドクターの旦那さんは爆笑。
「笑いごとじゃないよ!」
「そうだね、ごめんごめん」
夜中に呼ばれたからか、下は紺色の術衣、上はTシャツのまま。
「緊急カイザーになるかもね…」
ポロッと産科スタッフさんが漏らす。
雰囲気にのまれて不安になってる私は、その言葉を聞き逃さない。
「ねぇ、カイザーって?」
一人落ち着いて座ってる律に聞く。
「帝王切開のこと」
「えぇ!?緊急手術!?」
「赤ちゃんは大丈夫だから、心配しなくていいよ。2000gあれば十分だ」
当直の心臓外科の先生以外に、吉岡先生も来てくれるらしい。
「なぁ柚季、皇帝にカエサルっていたじゃん?」
「はぁ?」
なんで今そんな話?
世界史にそんな人いたよね…
で、カエサルがどうしたって?
「帝王カエサルも“カイザー”で生まれてきたんだよ」
「…だから“帝王”切開?」
「正解!この子も皇帝になるかなぁ」
律のつまらないうんちく話に、なぜか笑ってしまった。
…っていうか、律なりの、私をリラックスさせるための冗談かな?
「もうすぐ会えるから、がんばれ」
「すぐに手術しなきゃだめ?」
「大丈夫、オレもオペ室でスタンバってるから」