heart to heart2 キセキのつづき
律はうなずいて言う。


「うん、いいんじゃない?」

「やった!決まりね!」


お腹の傷の痛みも忘れてしまった。

腕のなかで、静かに、でもしっかりと生きている空ちゃん。

“いつ死んでもいい”なんて思わない。

あなたと、あなたのパパのために、きっと長生きするからね。









---そして、、、



「おう!来たか、マメ太ー!」

「マメ太って呼ばないでくださいよー」

「ソラマメ、お前には期待してるんだぞ~?」

「え、なにそのプレッシャー!?」

「いいか、道重准教授の息子だからって容赦しねーかんな!」

「おう!!食いついていきますから、何が何でも!!」


忙しい研修医生活の中で、ふっと思うことがある。

死んだ母さんは、なんで“空”って名前を選んだんだろうって。


「空、よく来たな」

「道重准教授~、はじめまして!研修医1年目の道重 空です!今日からお世話になります!」

「なにが“はじめまして”だ」


父さんはまだ、死んだ母さんのことを忘れられない。

オレだってそうだ。

でも…


「ひさびさに一緒にメシでも行くか?」

「やった!!父さんのオゴリ♪」

「あれ?お前の初任給で親孝行してくれるんだろ?」

「えぇぇ!?」

「…ったく、ウソだよ。お前、ホント母さんの反応とソックリだよなぁ」

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