heart to heart2 キセキのつづき
懐かしむように父さんが言う。
昔は寂しそうにしてたけど、最近はもっと違う感情なのか、穏やかだ。
「なぁ、オレってなんで“空”なの」
「昔から言ってるだろ?空のように心の広い男になれって」
「ふーん…」
「なんだよ、嫌いか?」
「嫌いじゃないけど」
そりゃあ時々“ソラマメ”だとか“マメ太”だとか言われるけど、嫌いじゃない。
「…あと、母さんが言ってたのは…」
“あの子の名前を呼ぶたびに思い出してね”
“私が死んでも、ちゃんと空から見てるよって”
最後の日に、父さんに言った言葉。
それからしばらくして、眠るように息を引き取った。
「見てんのかな…」
「見てるんじゃないか?悪いことしたら母さんから天罰が下るぞ~」
「悪いこと…してないし!!」
「ほぉ~、研修医の分際でナースに手を出したらしいじゃないか~?」
「本気だし!!」
ってか、なんで知ってんだよ!?
「本気ならいいんだ。女の子を守ってやれる男になりなさい」
父さんの言葉には重みがあった。
でも、わかるよ。
父さんが母さんを愛してること。
そんな父さんと母さんから生まれたオレも、愛されてることも。
それが幸せだってことも。
「…今度、紹介するよ」
「そうか、家族が増えるんだな」
こうして、愛はつながってくんだ。
【end】
昔は寂しそうにしてたけど、最近はもっと違う感情なのか、穏やかだ。
「なぁ、オレってなんで“空”なの」
「昔から言ってるだろ?空のように心の広い男になれって」
「ふーん…」
「なんだよ、嫌いか?」
「嫌いじゃないけど」
そりゃあ時々“ソラマメ”だとか“マメ太”だとか言われるけど、嫌いじゃない。
「…あと、母さんが言ってたのは…」
“あの子の名前を呼ぶたびに思い出してね”
“私が死んでも、ちゃんと空から見てるよって”
最後の日に、父さんに言った言葉。
それからしばらくして、眠るように息を引き取った。
「見てんのかな…」
「見てるんじゃないか?悪いことしたら母さんから天罰が下るぞ~」
「悪いこと…してないし!!」
「ほぉ~、研修医の分際でナースに手を出したらしいじゃないか~?」
「本気だし!!」
ってか、なんで知ってんだよ!?
「本気ならいいんだ。女の子を守ってやれる男になりなさい」
父さんの言葉には重みがあった。
でも、わかるよ。
父さんが母さんを愛してること。
そんな父さんと母さんから生まれたオレも、愛されてることも。
それが幸せだってことも。
「…今度、紹介するよ」
「そうか、家族が増えるんだな」
こうして、愛はつながってくんだ。
【end】