heart to heart2 キセキのつづき
「あのなぁ…オレ仕事中…」


半分呆れ顔だけど、チラッとドアの方を見たかと思った瞬間。

律の片肘が、私の顔の横につく。


「…あんまり困らせんなよ」


10cmの至近距離での忠告。

の、後。

そっと触れるだけのキス。


「はい、終わり。お大事に」


何事もなかったかのように、布団を直して出ていく律。

真面目なんだから。

ムッツリのくせに。

そう心の中で呟いてみたけど、私は今更ながらドキドキ。

律と付き合ってもう10年。

夫婦になってからもドキドキさせられるなんて…。

私の心臓、せっかく良くなったけど、律のせいで長く持たないかもよ?
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