heart to heart2 キセキのつづき
だけど…

そんなイライラは知らず知らずのうちに、もう溢れかかっていた。

氾濫するのは、突然。


「何か食べたいものない?」

「食べたいもの…」

「吉岡先生(主治医)が、プリンとかゼリーなら食ってもいいよって」

「…そういう気分じゃない」


律は意気揚々と言うけど、私は全然そんな気分になれないでいた。

熱あるし、ダルイし、痛いし。


「まぁそんなこと言わずに」


相変わらず“ほわーん”とした空気で、私の口にスプーンを運ぶ律。

…あ、かぼちゃプリン。
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