heart to heart2 キセキのつづき
「…ひとりになりたかったの」

「何言ってんだよ…こんなところで体冷やして…」

「もういいじゃん、放っといてほしいの」

「放っておけるわけないだろ!?柚希、オレまじで怒るよ?」


じっと目を見つめられて、何も言えなくなってしまう。

律は羽織っていた白衣を脱いで、私の肩にかけた。

ずっしりと重い。

ポケットにはメモだとか、ミニサイズの参考書だとか、色んなものが入ってるから。


「ほら、行くぞ」


力強く腕をひかれて、無理矢理連れて行かれそうになる。


「…やだっ…」

「コラ、ゆずき~…」


ため息混じりに、律は困った顔で言った。
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