マザーレスチルドレン
父親は金がなくなるとアユミに


『体を売って金を作って来い』


といい、博打仲間にアユミを売った。


地獄のような日々であった。


いくら待っても母親が戻る兆しもなかった。


神に祈るのはとっくに止めてしまった。

アユミは眠りに落ちるとき毎晩、このまま目が覚めないようにと念じるようになった。


だが朝はやって来た、絶望とともに。


アユミはあまりにも無慈悲な神を呪った。


やり場のない呪詛はいつの間にか父親に対する殺意に変わっていった。


アユミは父親を殺して自分も死のうと決心した。
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