マザーレスチルドレン
カジさん
入り口のドアが勢い良く開かれて一人の男が転がるように入ってきた。
大きな黒いショルダーバッグを肩にかけた四十を少しこえたくらいに見える中年だった。
ハンチング帽を被ってヨレヨレの半袖シャツにかなり汚れが目立つジーンズを履いていた。
すでにかなり酔っているようだった。
「また来たよー」
「いらっしゃ……なんだカジさんか」
「悪かったね、マスターオレで」
カジさんと呼ばれた男はおぼつかない足取りで三席あるテーブル席の一番入口に近い椅子にドカッと腰を下ろした。
「またかなり出来上がって―― 一体どこで飲んできたんですか?今日は早めに帰ってくださいよね」
迷惑顔でマスターは言った。
「うんうん、分かってるよ。昨日は悪かったね。朝まで付きあわせて」
「そうですよ、オレも随分酔っ払ってたけどあの後でレイコと大喧嘩だったんだから」
「すまんすまん、今夜は少しだけ飲んだらすぐに帰るからさ」
「もう、カジさんはかなり酒癖悪いんですからね、昨日も絡みまくってましたよ。覚えて無いでしょうけど」
「分かってる、分かってるって、マスター、じゃ、とりあえずビールね」
「あいよ」
大きな黒いショルダーバッグを肩にかけた四十を少しこえたくらいに見える中年だった。
ハンチング帽を被ってヨレヨレの半袖シャツにかなり汚れが目立つジーンズを履いていた。
すでにかなり酔っているようだった。
「また来たよー」
「いらっしゃ……なんだカジさんか」
「悪かったね、マスターオレで」
カジさんと呼ばれた男はおぼつかない足取りで三席あるテーブル席の一番入口に近い椅子にドカッと腰を下ろした。
「またかなり出来上がって―― 一体どこで飲んできたんですか?今日は早めに帰ってくださいよね」
迷惑顔でマスターは言った。
「うんうん、分かってるよ。昨日は悪かったね。朝まで付きあわせて」
「そうですよ、オレも随分酔っ払ってたけどあの後でレイコと大喧嘩だったんだから」
「すまんすまん、今夜は少しだけ飲んだらすぐに帰るからさ」
「もう、カジさんはかなり酒癖悪いんですからね、昨日も絡みまくってましたよ。覚えて無いでしょうけど」
「分かってる、分かってるって、マスター、じゃ、とりあえずビールね」
「あいよ」