愛しいヒト


「杏ッ!!」

耳をつんざくような
金切り声…


お母さん…。



「何してるのよっ!!勉強はっ!?宿題は!?早くしなさいっ!!」


チッ!!


あたしはわざと
聞こえるように舌打ちした。


「ったく、梓は、まだ勉強してたわよっ!?」


「梓、梓ってうるさい!!梓は梓じゃんかっ!!」


梓はあたしの姉。
顔は似てなくて、
勉強は梓が断然できる。


そんなあたしと梓は
よく比べられる。


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