君想い唄。-キミオモイウタ-
PLOROGUE
―――――――キキーッ
突然、雨音を切り裂いて耳を劈いた音。
隣にいた隼人の温もりが、消える。
繋いでいた手が、するりと解ける。
「は…やと……?」
理解出来なかった。
だってまさか、嘘でしょう。
「隼人っ…!?」
今日は久し振りに、2人でデートだったのに。
なのに、なのにこんな。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!!」
叫んだ声は、雨音に掻き消されて、もうあなたには届かない。
足元を、赤く染まった雨水が流れていった。