君想い唄。-キミオモイウタ-





ねえ、早く目を覚ましてよ。


じゃないと私、隼人の声を忘れそうなの。

隼人の笑顔を、忘れそうなの。




唇を噛み締めて俯く。

届かない声で、語りかける。



もう、夏が終わっちゃうよ。


一緒に海行こうとか、プール行こうとか、お祭り行こうとか。

色んなことを、話してたのに。



蝉の声が、遠ざかる。

太陽は段々、西の空に向かっていっている。

…もうすぐ、夏が終わって秋がくる。




あなたはいつ、目を覚ますの?




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