君想い唄。-キミオモイウタ-
いやそれは、いくら幼馴染とはいえやっぱり曲がりなりにも好きな人な訳だし緊張しておかしいことは何一つないんだけど。
だけど取り敢えずこの手を離してもらいたい。
熱を持って熱くなる手を振り払おうと思い切り手を振ってみる。…が、離れない。
いつの間にこんなに力強くなったんだ。
私は更に緊張して、思わず俯いた。
「たまき」
「…何」
「こっち向け」
そう言った声があまりにも優しかったから、俯かせていた顔を上に向ける、と。
「っ何……」
「たまき、付き合って」