君想い唄。-キミオモイウタ-
「…たまき」
「何?」
呼ばれて顔を向けると、「さっきの俺の言葉、覚えてる?」
「え?」
言葉?
何か言われたっけ………?
首を傾げると、隼人は盛大な溜息。
そんなに重要なこと、言われた覚えないよ!
むくれながら睨み上げると、隼人は私に何かを押し付けた。
「何これ…って、くまうさぎ!」
“何か”の正体を確かめた瞬間、私は飛び跳ねる。
両手で抱き締めて頬擦りする私に呆れたような視線を向けて、隼人はまた口を開いた。
「俺がそれ取れたら、代わりにたまきが言うこと聞いてって言ったじゃん」
不敵そうな笑顔で詰め寄ってくる隼人に、冷や汗が流れる。
だって……顔が、物凄い怖い。
私は一歩後退る。