君想い唄。-キミオモイウタ-





「嘘………」


はらはらと、その瞳から散っていく滴。


伏せられた長い睫からこめかみを伝って、ベッドのカバーにしみ込んでいく。




開かれることのない双眸。

閉ざされた唇。



さっきと何ら変わりはないのに、何かの変化を告げるように涙だけが流れる。




何が、起こってるの?


頭が働かない。
体が凍って動かない。



完全なる、フリーズ状態。





何もかも頭から吹き飛んで、歌うことをやめる。






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