君想い唄。-キミオモイウタ-
歌がやむと、隼人は涙を流し続けたまま、薄く目を開いた。
どこを見るでもなく視線を彷徨わせていた隼人は、
半年間閉じたままだったその瞳を、私に向けて。
「たまき………?」
懐かしいその声で、私の名前を呼んだ。
信じられなかった。
信じられないほど、嬉しかった。
その声で私を呼んでくれただけで、止まっていた涙が溢れるほどに。
「隼人っ……!」
ぶわっと溢れ出す涙をそのままに、私は思わず隼人に抱き付いた。