君想い唄。-キミオモイウタ-
わたわたと慌てる隼人。馬鹿だなぁ、そんなに手を振り回したら点滴が抜けちゃうよ。
頭の片隅でそう思いながら、隼人の首に回した手に力を込める。
「う、ちょ、窒息するからたまきっ…」
「……隼人ぉぉぉおーっ…」
隼人の必死の抵抗に少し力を弱めると、隼人が私の涙を拭った。
何だかもう、何が何だか分かんない。
今分かることは、
隼人が目を覚ましてくれた安心感と、嬉しさと、
…本当に、私は隼人が好きだということだけ。
頬を拭ってくれる手は温かくて、更に涙が零れた。
また焦る隼人に、泣き笑いになる。
隼人のこめかみに残る、涙の跡。
それは、私の歌が、想いが、届いていたと思ってもいいの?