君想い唄。-キミオモイウタ-
「おっ、かえり、隼人っ」
「………ただいま。たまき」
途切れ途切れの私の言葉に、小さく笑って応えてくれる隼人。
こんな瞬間が、とてつもなく幸せだと、思う。
………――――――君を想って唄い続けたあの声は、あなたに届いていたのでしょうか。
そうであったら幸せで、この上なく嬉しいことだと、思うのです。
だってあなたは私の想いを、ちゃんと受け止めてくれているってことでしょう?
あなたは私を、本当に、好きでいてくれているってことでしょう?
ほんの少しくらい、自惚れてもいいかな。
ねぇ、隼人。
2人で聴いてたあの歌は、
君を想う唄なんだって言ってみたら、
君はどんな顔をするのかな?
きっと、笑ってくれる気がするの。
そうしたら、私も笑うから。