君想い唄。-キミオモイウタ-
EPILOGUE
「そういえば、たまき」
「何?」
隼人が無事退院して、1週間が経った頃。
日曜日の今日は学校も休みだから、隼人は私の部屋に遊びに来ている。
特にすることもなくて、テレビを見たりしながらただ隣に座っていたら、隼人が何の気なしに問いかけてきた。
「あの人形、1年前の納涼祭で取ってやったやつだよな?」
そう言って指差す先には、くまうさぎの人形がでーんと構えている。
隼人から貰ったものだから大事にして、埃を被ることもなく取ってあるんだ。