君想い唄。-キミオモイウタ-
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規則的に上下する隼人の胸。

口元に付けられた酸素マスクが、それにあわせて曇っている。



隼人が生きてる証は、それだけ。


もしも、この呼吸が止まってしまったら。

心臓が止まってしまったら……隼人の命は、簡単に消える。



隼人……あの日、デートなんかに行ってなかったら、あなたは事故に遭わずにすんだのかな?

隼人が事故に遭った日から、何度も何度も考えた。



あの日デートに行かなければ、今頃隼人と私はきっと笑い合えてたはずなんだ、って。

今願っていることが、実現していたはずなんだ、って。






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