――Rain――
「傘は?」
奈央は不思議そうに聞いてきた。
『家。』
「はぁ??」
小走りに走ってくる奈央。
俺の隣にやってきて、傘の中に俺を入れた。
『ちょ、奈央?!』
「今日傘忘れるとか、信じらんない。
今日の降水確率100%だったでしょ!?」
100%…?
『ぇ、10%じゃなくて??』
「…はぁッ?!!!」
…もしかして俺、
10%と100%間違えた?
『……傘、入れてもらってごめん。』
「別にいいけど…。
……制服、濡れてるわよ?」
奈央はポケットからハンカチを出して、俺の制服を拭き始めた。