私の好きだった人。

曖昧






わからない。


気付くと、それが私の


口グセになっていた。


好きな食べ物は?


――わからない。


好きな色は?


――わからない。


好きな人いるの?


――わからない。


質問の答えは、いつも決まって“わからない”だ。


いつの間にか私は、


曖昧な人間になっていた。


告白されて、嫌いじゃなければ、付き合う。


そして、わからなくなると、別れる。


その繰り返しだ。


“そんなんじゃ、駄目だよね”


心ではわかってるのに。

何も出来ない。


だから、そんな曖昧な


自分が嫌いだ。






< 2 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop