私の好きだった人。
曖昧
わからない。
気付くと、それが私の
口グセになっていた。
好きな食べ物は?
――わからない。
好きな色は?
――わからない。
好きな人いるの?
――わからない。
質問の答えは、いつも決まって“わからない”だ。
いつの間にか私は、
曖昧な人間になっていた。
告白されて、嫌いじゃなければ、付き合う。
そして、わからなくなると、別れる。
その繰り返しだ。
“そんなんじゃ、駄目だよね”
心ではわかってるのに。
何も出来ない。
だから、そんな曖昧な
自分が嫌いだ。