一年と二ヵ月


「なんか、久しぶりだね〜。
こうやって3人で一緒にいるの。」

七海は、あたしたちが
付き合ってたことを知らない。


「確かに。
中学入ってみんな忙しくなって
あんま一緒じゃなかったからな。」

「拓真は経営の勉強ばっかで、
あたしは仕事始めたてだったんだよね。

…………早紀?」

七海が不思議そうにこっちを見る。

「…あっ、そうだね。

みんな学校来ないし、
あたしだけ暇だったんだよ!」


今更、どんな顔をすればいいの?

今まで、どうやって話してたっけ。


………分からない。


「七海ーー!
教科書貸してくれない?」

「あ、真緒だ。
ごめん、2人で話してて!」

七海が隣のクラスの友達の元に
走って行ってしまった。


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