一年と二ヵ月
「拓真、なに言ってるか分かんない。
真っ直ぐなのか曲がってるのか
どっちかにしてよね。」
「良いんだよ、分かんなくて。」
懐かしそうにあたしを見る。
「……拓真は、変わったね。」
あたしは、拓真の
その顔を、その高さを、
その雰囲気を、……知らない
「そうか?
自分じゃよく分かんねぇよ。」
「まったくの別人だよ。」
あの時から、変わったんだよ
…………あたし達。
「じゃあ、俺帰るわ。」
「え?もう?
まだ授業始まってないじゃん。」
「今日は入学届け出しに来ただけだから。
授業は明日から受ける。」
「そっか。
じゃあね。また明日。」
「おう。」
そう言って、拓真は教室から出ていった。
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