一年と二ヵ月
「ちょっと、拓真、七海。
うるさいんだけど。」
雑誌を読んでる拓真と
携帯をいじってる七海を睨む。
「しょうがないじゃん。
拓真のファンがうるさいんだから。」
「俺のせいにすんなよ。
お前のファンもうるさいだろ?」
「あたしのせいじゃないもん。」
「俺のせいでもねぇよ。」
2人の口喧嘩が始まった。
「どっちでもいいから、
早く黙らせてよ!」
あたしが怒ると、七海がニヤッと笑った。
「早紀ぃ〜。大丈夫だって。」
猫なで声で喋る七海に鳥肌が立つ。
「な…何が。」
「早紀もモテるんだよ?」
………何を言ってるの、こいつ。
今そういう話じゃないでしょ。
「意味分かんないから。」
「ほんとのことだし!
G組の村田くんとか、
D組の金山くんだって…」
「あのね、さもあたしが
自分にファンがいないからって怒ってる、
みたいな言い方やめてくれる?」
「え?!違うの?」
本気で思ってたのか…。
「違うから!
ほら、早く黙らせてくる!」
七海の肩を押して、黙らせる。
七海は、
「ほんとなのに〜」
と拗ねていた。
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