一年と二ヵ月
「来週末から、テストじゃん。
七海、忘れてたの?」
七海の後ろに雷が落ちてるのが見える。
絶対知らなかったな、こいつ。
「た…拓真は知ってたの?!」
拓真に助けを求めても無駄だと思うけど。
「もちろん。」
ほらね。
あっさりばっさり。
拓真は成績が神がかり的に素晴らしい。
そんな拓真がテストを
忘れるわけないでしょって。
「今日、何曜日…?」
「金曜。」
「テストは?」
「木曜から。」
「…………………」
ヤバすぎて声が出ないらしい。
まぁ、今回の範囲はバリ広だから、
1週間じゃ無理だろうなぁ。
「うぅぅ…どうしよう…。
た、拓真!」
「なに?」
多分、言うことが分かってるんだろう。
七海をチラ見することもしない。
「助けてください!!」
やっぱり。
「えー…。
俺もヤバイんだけど。」
「拓真も受けなきゃいけないの?
まだ戻ってきたばっかなのに?」
「校長が受けてみろって。」
「へぇ…。」
校長も何考えてんのか分からんなぁ。
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