一年と二ヵ月


「今回成績ヤバかったら、
芸能界辞めさせられちゃうの!」

「辞めさせられるって…
前回、そんなひどかったの?」

コクン、と頷く七海。

「何位?」

「………247……」

247位って…。
うちの学年は300人ちょっと。

後ろから数えた方が早いじゃん…


「何でもっと早くに
気づかなかったんだよ。」

あまりのひどさに、拓真でさえ呆れてる。

「来月かと思った。」

来月って8月じゃん。

「お願い…!」

拓真に懇願する七海の目は
もはや涙目同然。

拓真も女の涙には弱いのか、
ため息をつきながら、

「分かったよ…」

と承諾した。

「ほんと?!ありがとう!
早紀も一緒に勉強しようね!」

「あ、うん…。」

でも、確か拓真って…

「俺様が教えるからには、
ビシッバシやるからな!」

……………熱血だったね。

七海は忘れていたのか、
うっ、と息詰まっている。

ま、自分が頼んだんだから
覚悟は当たり前だけどね。


そんなこんなで、1日が終わった。

放課後、あたしはすぐに帰ったけど、
拓真大先生の特別補習は
夕方6時までかかったとか…


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