一年と二ヵ月
「絶対終わらせるからな。」
「え、エスパー?!」
拓真は秀才だけではなく、
超能力者にまでなったの?!
「エスパーって、
何バカなこと言ってんだよ。
6時には終わらせるからな。」
あ、そういうことね…
「はーい…」
そして再び勉強に取りかかる。
「拓真、ここ…」
「あぁ、ここはθが150°だから…」
「なるほど。
つまりcosがこうだから…
tanは………」
カリカリカリと手が進む。
こんなに早く理解出来たのは
久しぶりかもしれない。
「でたぁー!」
「見せてみ。」
あたしの解答をジーッと見る。
こういうのって緊張するなぁ…
「うん、正解。
やりゃあ出来んじゃん。」
「やった!
すごいね、拓真。
めっちゃ分かりやすかった!」
「まぁな。
俺様にかかればこのくらい、当たり前。」
ヘッと笑う拓真。
めちゃくちゃ得意気そう。
「うわ、ドヤ顔!
俺様とか、何キャラだし!」
「あ、そんなこと言うんだったら
もう教えてやんねー。」
「やだやだ!
ごめんなさい、拓真大先生。」
「それでよし。」
そんなことを言いながら2人で笑った。
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